男子手芸部

手芸部員1と2の生まれたことへの贖罪

平成29年7月27日

今日はベランダから中央線を眺めた。

今日は珍しく終日外にいた。

帰宅しすぐに、いつの日かこぼした薬品で溶けたフローリングに脱ぎ捨てた衣類で花を咲かせながら歯を磨いた。

今朝自分を無事会社へと送り届けた憎き車両はどこかとベランダから睨みつけた。

ヒーロー映画で悪役を応援する自分がいる。

栄誉の死を遂げる戦士に憧れる自分がいる。

悲しいニュースに希望を見つける自分がいる。

自分はいわゆる本物だと思っている。

なんの信念もなく他人の言葉を、格好を、ストック、ストックし吐いているような人間とは違うと思っている。

自分は人の思考は理解していてその上誰からも理解されないと思っている。

自分は誰からも影響を受けず、影響を与えると思っている。

これを打ち砕かれてもそこから生を見出せると思っている。

自己に肯定の念はあるが他人に対しては肯定も否定も存在しない。

人の評価が気になる自分がいる。

明日も電車に乗ることになりそうだ。

明日は憎き電車が、映画の悪役が、テロリストが、数え切れないほどの人々からの恨みを買うことはないかと思っている。

今日はベランダから中央線を眺めた。